ブックログは年間120冊の本を読む僕が、面白かった本や皆さんに読んでほしいと思った本を紹介するブログです。
今回紹介するのは、岸見一郎・古賀史健さんの嫌われる勇気です。
アドラー心理学を基に、幸せに生きるためにはどうすればよいのかということについて書かれています。
青年と哲学者による対談形式で物語が進んでいきます。
かなり話題になっていたので、気になって読んでみました。
内容としてはとても面白く惹き込まれる内容でした。
アドラー心理学の中には、その考え方はどうなのと感じることもありますが、そこは青年がこれでもかというほど反論してくれるので読者が置いてけぼりになることはありません。
テーマは幸せ・勇気です。
内容紹介
今の世界に生きづらさを感じている青年は哲学者のもとに訪れる。
青年は老人に様々な問いを投げかける。
哲学者から返ってくる返答は、青年にはにわかに信じがたい内容だった。
青年と哲学者の対話はどのように落ち着くのか。
青年は幸福になるための答えにたどり着くことが出来るのか。
悩みを消し去り、幸福に生きるための具体的な「処方箋」が、この本にはすべて書かれている。
こんな人にオススメ
・世の中に生きづらさを感じている人
・他人の評価が気になってしまう人
・幸せになりたい人
見どころ
人に嫌われたくない。
そう思っている方は少なくないと思っています。
実際僕もこの本に出会うまでは、他人の評価を気にしてこれまで自分の好きなことや挑戦したいことを我慢していたなと感じました。
しかし、他人の評価を気にして生きるということは他人の人生を生きているのと同じです。
自分の人生を生きるために必要な考えを、この本を読むことで理解することが出来ます。
そんな考え方に注目です。
感想
あまねく人の「現在」が、「過去」の出来事によって規定されるのだとすれば、おかしなことになりませんか?
p26
だってそうでしょう、両親から虐待を受けて育った人は、全てがご友人と同じ結果、すなわち引きこもりになっていないと辻褄が合わない。
この章の内容は、「トラウマ」という概念は存在せず、過去を言い訳にしている人は今の状況を変えたくないから過去の経験を持ちだしているという内容です。
例えば、「過去に虐待を受けていたから引きこもりになった」という人は、引きこもりにになっていたほうが都合が良いから、虐待を受けていたという過去を持ってきているという考え方です。
なぜそのように考えるのかというと、そのほうがその人にとって都合が良いからです。
引きこもりになることで、親が自分に対して気にかけてくれるだとか、腫物を触るように丁寧に扱ってくれるので、そういった行動をとっているというわけです。
厳しい考え方のようにも聞こえますが、この内容を通して伝えたいことは、これからの自分にこれまでの過去は関係ないということだと僕は解釈しています。
あなたには大声を出す、という目的が先にあった。
p34
すなわち、大声を出すことによって、ミスを犯したウェイターを屈服させ、自分の言うことをきかせたかった。
その手段として、怒りという感情を捏造したのです。
つい、イライラして怒鳴ってしまったという経験はありませんか??
これはイライラしたから怒鳴ったのではなく、自分の目的をかなえるために怒鳴るという方法を取っているという考え方です。
僕自身、どうしてもイライラしてしまうときはあります。
しかし、この考え方を知ってからは一呼吸間をおくことが出来るので感情的になることが減りました。
新しいライフスタイルを選んでしまったら、新しい自分になにが起きるかもわからないし、目の前の出来事にどう対処すればいいかもわかりません。
p52
未来が見通しづらくなるし、不安だらけの生を送ることになる。
もっと苦しく、もっと不幸な人生が待っているのかもしれない。
つまり人は、色々と不満はあったとしても、「このままのわたし」でいることのほうが楽であり、安心なのです。
変わりたいけど変われない。
今の生活に満足していないけど、何もしていない人はこれが原因なのかなと思いました。
新しいことへの挑戦は手間がかかるし、結果が分からないから怖いこともあります。
しかし、それを怖れていては今の変えたい自分を変えることは出来ません。
今の自分を変えたいと思っている人には「神メンタル-心が強い人の人生は思い通り-」という本がおすすめです。
この本は自分を変えるために必要な考え方を教えてくれる本です。
タイトルだけ見ると精神論やスピリチュアル的なものを想像する人もいるかもしれませんが、科学的根拠や作者の体験談に基づいた内容になっています。
気になった方は是非一度読んでみてください。
わたしの若い友人に、小説家になることを夢見ながら、なかなか作品を書き上げられない人がいます。
p55
彼によると、仕事が忙しくて小説を書く時間もままならない、だから書き上げられないし、賞の応募に至らないのだそうです。
しかし、はたしてそうでしょうか。
実際のところは、応募しないことによって「やればできる」という可能性を残しておきたいのです。
新しいことを始めてみたいけど時間がないからなかなか挑戦出来ないでいるという状況になっていませんか??
しかしそれは本当に時間がないからなのでしょうか。
本当は時間はあるけど、時間がないことを言い訳にしてしまってはいませんか??
時間がないと感じている人は自分の生活環境や過ごし方を振り返ってみるのも良いかもしれませんね。
時間の作り方に関する本もあるので良かったら読んでみてください。
いま自分が置かれている状況、その責任を転嫁する。
p120
他者のせいにしたりすることで、人生のタスクから逃げている。
さきほど説明した赤面症の女学生も、みな同じです。
自分に嘘をつき、また周囲の人々にも嘘をついている。
突き詰めて考えると、かなり厳しい言葉です。
今自分が置かれている状況は自分自身が選択をしてきた結果です。
あなたの今の状況というのはあなたがその状況を望んでいるからそうなったのです。
今辛い状況にいて変わりたいと思っているのに、それが自分が望んだ状況なわけがないだろと思う方もいると思います。
しかし、心の中には今の状況にいることを望んでいる自分もいるのです。
自分が変われないのは今の状況があるからだ、大変だから私は幸せじゃないんだと思うことで、今の状況を変化させたときにもし幸せになれなかったらという恐怖から逃げているのです。
同じようなお話を「CHANCE」という本でも読みました。
自分が成功すると思っている人は成功するし、自分は幸せにはなれないと思っている人は不幸な人生を送ります。
まずは自分自身の自己評価を見直してみるのも良いかもしれませんね。
承認されることを願うあまり、他者が抱いた「こんな人であってほしい」という期待をなぞって生きていくことになる。
p136
つまり、ほんとうの自分を捨てて、他者の人生を生きることになる。
そして、覚えておいてください。
もしもあなたが「他者の期待を満たすために生きているのではない」のだとしたら、他者もまた「あなたの期待を満たすために生きているのではない」のです。
中略
われわれは「これは誰の課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題とを分離していく必要があるのです。
他人に嫌われたくないと思いながら生きるのは他人の人生を生きているのと同じです。
そして他人に嫌われたくないと思い行動しても、他の人があなたを好きになるかどうかはまた別の問題です。
嫌われたくないと思うあまり、他人に対して自分を好きになってほしいと望むのは、他者の課題に介入しようとする行為になります。
課題を見極め、自分の課題に集中して生きることが大切です。
アドラーは言います。
p154
「困難に直面することを教えられなかった子どもたちは、あらゆる困難を避けようとするだろう」と。
僕は中学を卒業し自衛隊の学校に入学しました。
親元を離れ訓練と勉強の日々を送ってたのは辛い経験でしたが、今思えばあの辛い経験をしてきたことが人生にプラスになっているなと感じています。
これは完全に僕の主観の話ですが、辛い経験をしてこなかった人は社会人になってから壁にぶつかったとき、すぐに挫けてしまうイメージがあります。
すなわち「自由とは、他者から嫌われることである」と。
p162
中略
他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを怖れず、承認されないかもしれないというコストを支払わないかぎり、自分の生き方を貫くことはできない。
つまり、自由になれないのです。
自由な生き方をしたいなら他人から嫌われる勇気をもつことが大切です。
また、自分を嫌っている少数の人か自分を好いてくれている人、どちらにフォーカスをあてるのかで世界観が変わっていきます。
無論、体罰はもってのほかですし、叱ることも認めません。
p197
ほめてはいけないし、叱ってもいけない。
それがアドラー心理学の立場です。
中略
ほめるという行為には「能力のある人が、能力のない人に下す評価」という側面があります。
僕はこの本を読む前は、褒められたいから頑張るという意識が強かったです。
子供の頃から褒められるために頑張ってきたという方も少なからずいるのではないかなと思いました。
大人になってからは褒められることを目指さなくなり、自分の目標に向かって努力出来ている今の環境がすごく幸せに感じています。
人生とは、いまこの瞬間をくるくるとダンスするように生きる、連続する刹那なのです。
p266
そしてふと周りを見渡したときに「こんなところまで来ていたのか」と気づかされる。
人は未来や過去についての出来事を意味もなく考えてしまう生き物です。
ある研究によると、一日の43%は未来や過去のことを考えてしまっているそうです。
ほとんどの心配事や過去に起こった出来事の反省か役に立つことはほとんどありません。
またこういった、未来や過去のことを考えると脳疲労の原因にもつながっていきます。
しっかり休んでいるのになんとなくだるいと感じたことはありませんか??
それは脳疲労の蓄積が原因かもしれません。
最高の休息法という本では、そういった脳疲労の取り方や頭の休め方について知ることが出来るので気になった方は是非読んでみてください。
最後に
嫌われる勇気を読んで価値観が変わりました。
人によってはとても受け入れられないような内容もあるかもしれませんが、こういう考え方もあるのかと知っていただけると心が軽くなるかもしれません。
僕はこの本を読んで色々な発見が沢山ありました。
当記事では紹介しきれていない内容や、話の流れを理解すると今回紹介した内容でも違った価値観が生まれると思います。
少しでも気になったかたは、すごく面白いので是非読んでみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは。