優秀な人が意識的に使っている『運の運用』|人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

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みなさんこんにちは。
フリーのwebクリエイターとして活動している、本好きエンジニアのけいです。
ブックログは年間100冊以上の本を読む僕が、面白かった本や皆さんに読んでほしいと思った本を紹介するブログです。

今回については、優秀な人が意識的に使っている『運の運用』というテーマで「人生は、運よりも実力よりも『勘違いさせる力』で決まっている」という本の内容について紹介していきます。

目次

人は自分の過去を都合よく変更する

とある実験から、人は実際に起きた出来事に対して「自分はそうなるんじゃないかと予測していた」と考えやすくなることが分かっています。

1972年、アメリカのニクソン大統領は中国とソ連を訪問しました。

この訪問に関してある調査が行われ、それは、アンケート用紙に

・毛沢東はニクソンの会談に応じる
・アメリカは中国を承認する
・数十年にわたり反目しあっていた米ソが、なんらかの重要事項で合意に達する

など「この訪問によって起こりうること」の項目が15個並んでいます。

解答者は、それぞれが起こる確率を推定し記入していきます。

そしてこの訪問が実際に終わった後、同じ回答者に「自分がそれぞれの項目に対して推定した確率」を思い出してもらいました。

その結果は、解答者は「実際に起きたこと」については「そうなると思っていた」と実際よりも確率を高く見積もり「起きなかったこと」については「そんなことは起きそうにないと思っていた」と実際よりも確率を低く見積もっていたそうです。

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訪問前は30%と予想していた項目も、訪問後に実際に起きた出来事は「40%とか50%と自分は予測してたはずだ!」と考えたり、起きなかった出来事に対しては「20%とか10%くらいでそうなるだろうと思っていた」という風に回答したということですね。

失敗した原因を分析するのは簡単

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この結果だけを見ると、結果が出てから「最初からそうなると思ってました」っていうのはずるいでしょ、と感じてしまいますよね

ですが、本人たちにとっては、後知恵や結果論でそう言ったつもりはなくて、これは脳の無意識の領域で記憶の書き換えられているから起きていることになります。

これは優秀な人とか知能が高いとかそういうのは関係なく、なにかが起きると「無意識」は自分の「意識」が気づかないところで「自分は、あらかじめそれが起きることを予測していた」と、自分の記憶を書き換える作りになっています。

なので政治等でも、とある施策が大失敗をした後に失敗した理由を自慢げに「少し考えればわかることなのに」と、説明する人というのは、結果が出ているからそう言えるのであって、自分がもしその当事者だったとしたら、それらの失敗する理由や要因に気づけない可能性が非常に高くなります。

この脳が引き起こす記憶の書き換えがなぜ起きるのか。

その自分にとって都合の良い記憶に書き換えられる理由は人は自分ですべての出来事をコントロールしたいという「コントロール欲」につながります。

コントロール欲とは

「コントロール欲」というのは、自分の人生・身の回りで起こる出来事を「自分がコントロールしたい、コントロールできなきゃ嫌だ」という欲求です。

とある実験で行われた例を紹介すると、老人ホームの老人を、学生ボランティアが何度か尋ねました。

半分の老人は、その学生ボランティアが訪問する日時を、その老人が自由に決めることができます。

残りの半分の老人は、学生が訪問する時間を自由に決めることはできません。

2か月後、日時を自分で決めることができた老人グループは、そうでなかった老人グループよりも

・より幸せで
・健康で
・活動的になり
・薬の服用量がすくなくなりました

この時点で研究自体は終了し、学生ボランティアの訪問も終了したのですが、その数か月後、学生ボランティアの訪問日時を自由に決めることのできた老人グループは、そうでなかった老人グループと比べて極端に死亡率があがっていたそうです。

この結果からわかることは、自由に時間を決めることができる、つまり、自分でコントロールができる人達は幸福度が高いのに対して、そのコントロールを失うと、途端に大きなストレスを抱えることになるということです。

これらのことから

・人間はコントロールしたい、という強い欲求をもつ
・コントロールできると、より幸せで、健康になる


ことが分かります。

運はコントロールできないが、運の運用はコントロールできる

人は無意識の中で人生をコントロールしたいと思う力が強いので、実際に起きた出来事をさも「そうなることが初めからわかっていた」と記憶を改ざんします。

優秀な人、成功している人というのは「成功するかどうかはコントロールできる」という幻想に浸れば浸るほど、逆に成功確率は下がっていくということを理解しています。

これは目の前にある現実を正しく理解しないと、成功確率を下げるような選択肢かできないからです。

実際にやってみた後に、成功した理由や、反対に失敗をした理由をつらつらと並べるのは簡単です。

ですが「それをやる前に見つけることは難しい」ということであれば「成功するかどうかは、かなりの部分で運できまる」とも言えませんか??

この考えを受け入れるかどうかはその人次第ですが、受け入れることができれば、現実というしっかりとした土台に自分の人生戦略を構築していくことができるようになります。

まとめ

ここまで「優秀な人が意識的に使っている『運の運用』」というテーマでお話をしてきました。
みなさんいかがだったでしょうか??

今回のお話では

人は実際に起きた出来事を、さも「自分はそうなるだろうと思っていた」と考える性質がある。
結果が出た後に、成功や失敗の理由を並べるのは簡単だが、それを実行する前にそれらを見つけることは難しい。
これらを踏まえると、成功するかどうかはかなりの部分運で決まる。
この考え方を受け入れることができれば現実というしっかりとした土台に自分の人生戦略を構築していくことができるようになる。

というお話をしてきました。

感想

普段の生活の中でも、少し考えればわかるのになんでこんなことしちゃったんだろうっていう失敗ってたくさんありますよね。

政治とかを見ていると、結果が出た後に「少し考えればわかるでしょ」とか「自分はそうなることが分かっていました」みたいな発言をする人ってもいて、確かに、少し考えればわかりそうなこともあるのは事実なんですが、結果が出る前に行動を起こす当事者の立場からすると、それらを見つけることは難しいことというのはすごく納得しました。

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この記事を書いた人

みなさんこんにちは!
フリーのwebクリエイターとして活動しているkeiです。
普段はホームページ制作とstandfmアプリにて音声配信を行っています。

プロフィール
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