みなさんこんにちは。
フリーのwebクリエイターとして活動している、本好きエンジニアのけいです。
ブックログは年間100冊以上の本を読む僕が、面白かった本や皆さんに読んでほしいと思った本を紹介するブログです。
今回については、9割でだすより5割で早くだすというテーマで「機嫌のデザイン」という本について紹介していきます。
この本は、秋田道夫さんという方が書かれた本です。
秋田道夫さんはデザイナーとして活動されていて、有名な作品だとみなさんも日常生活の中で多く目にしている「LED式薄型信号機」「JR Suicaチャージ機」のプロダクトデザインも行っています。
早めに出して時間をプレゼントする
この本の中に「納期に9割を出すより、翌日に5割で出す。 時間をプレゼントして相手にゆだねる」という項目があります。
秋田さんはデザインを作る際に、それほど時間をかけずにいくつも案を作ることができるそうです。
打ち合わせをしたら、その翌日やもし可能なら打ち合わせ中、その1時間後でもデザインの提案をしています。
これは秋田さんの仕事のやり方で、最初から100%を目指すのではなく、50%でもいいから早く出すことで相手の方向性を確認しながらデザインを作るためです。
この方法だともし目指すべき方向性が間違っていたとしても、お互いに修正する余裕が生まれるので安心して取り組めます。
なぜこのような方法をとっているのかというと、ある程度の完成度でもアイディア自体は見えるものだし、デザインを作るうえでとにかく大事なのは意見の食い違いを防ぐことだからです。
さらに言うと、最初に作りこみすぎてしまうと相手側は「相当時間をかけて作ってくれたんだろうな」というのが伝わってしまい、気に入っていなくても「いいですね」と言ってしまいそうです。
デザインの提案をする上で大切なのは「結論が出ていない段階で燃え尽きてはいけない」ということです。
初期のアイディアで力を出し切らず、もっと先のためにエネルギーを保存しておいたほうがより良い作品が生まれやすくなります。
まとめ
ここまで「9割でだすより5割で早くだす」というテーマでお話をしてきました。
みなさんいかがだったでしょうか??
今回のお話をまとめると
デザインは意見の食い違いをなくすことが重要。
そのためには、納期ぎりぎりに9割の仕上がりで出すのではなく、5割の完成度でも良いからもっと早めの段階で提案を行い、相手に時間をプレゼントしてあげることが大切。
というお話をしてきました。
感想
秋田さんと比べたら僕なんかは全然まだまだですが、デザイナーの端くれとしてすごく参考になるお話でした。
デザインは意見の食い違いをなくすことが大切というのは本当にその通りだなと思っていて、例えば、デザインを作る時は最初にお客さんと打ち合わせをして、「どういうデザインにしたいか」「どういう人をターゲットにしているか」という内容をヒアリングするんですね。
その内容を元に、20代男性がターゲットならそれに合ったデザインを作るし、40代女性ならそれに合ったデザインを作っていきます。
このヒアリングした内容で認識にずれがあると、どんなに素敵なデザインを作ったとしても、お客さんにとっては「良いデザインだけどこれじゃない」感がでてしまいます。
こういった認識のずれをなくすためには、ヒアリングをしっかりと行ったり早めにアイディアを出して、認識に相違がないか確認すると、もし違っていも軌道修正していくことができます。
本紹介の中でお話した5割の完成度で見せるということですね。
ただ、これはわかっていても実際にやろうとすると結構難しいんですよね。
デザイン作る側からすると、お客さんには「すごく良いデザインですね」と言ってほしいと思いながらデザインを作ります。
5割の段階で見せるのは、人によるとは思うんですがやっぱり多少は抵抗があるんですよね。
僕もそうで、お客さんに喜んでほしいから納期ぎりぎりまで仕上げて提案をしてしまうことがよくあるんですが、このお話を読んで、5割の段階で良いから早めに見せるというのを少しずつでも意識して制作していけたらなと思いました。