みなさんこんにちは。
フリーのwebクリエイターとして活動している、本好きエンジニアのけいです。
ブックログは年間100冊以上の本を読む僕が、面白かった本や皆さんに読んでほしいと思った本を紹介するブログです。
今回については、コーチングを活用したコミュニケーション術というテーマで「コーチングが人を活かす」という本について紹介していきます。
コーチングとは
コーチングと聞くとみなさんはどんなイメージを持たれるでしょうか??
僕は初めてこの言葉を知ったとき、色黒のマッチョの人がとにかく励ましてくれるようなイメージを勝手に持っていました(笑)
実際には「コーチング」とはそういうものではなく、言葉の定義としては「相手の話に耳を傾け、観察や質問、ときに提案などをして相手の内面にある答えを引き出す目標達成の手法のこと」とされています。
コーチングで最も大事なことは、「相手の中にもともと存在している答えの発見を促す」ことです。
相手の中にある、相手さえもそこにあると気づいていない内側の情報を”一緒に探索して、見つけ出していく”。
そして、”共に発見”した情報を、未来に向けて新たな行動の指針となる知識に変えていきます。
また、コーチングは上司や部下というような上下関係があるわけではなく、対等な立場として対話をしていくということを忘れてはいけません。
どう活かしていくのか
仕事や子育ての中で、部下が仕事のやり方を分からなかったり、子供に対して何が悪かったのかを、自分の考えと言葉で伝えることは簡単です。
また状況によってはその方法が正解となることもありえますが、対等な立場として、相手の中にある答えを一緒に考えていくことで、ともに成長していくことができます。
人は過去の経験を一つのチャンク(かたまり)にして脳の中にストックする傾向があります。
例えば「ハワイ旅行どうだった?」と聞いたとき、いきなり具体的に「あそことあそこに行ってこんなことをした」と話し始める人はあまりいません。
とりあえず「すごく楽しかった」とか「まあまあだったね」とか、その体験を代表する一つの言葉で答えます。
これはあいてとの関係に安心感が少なければ少ないほど、この傾向は強まります。
ここで活用できる方法が『チャンクダウン』というかたまりをほぐしていく方法です。
『すごく楽しかったって、具体的にはどんなことがあったの?』
『そうなんだ!どんなところが良かったの?』
という風に、相手のかたまった言葉を受けて、それをほぐしていく。
相手の返答に対して、またかたまりを見つけてほぐしていきます。
相手の話を自分の中でどんどん絵に書き換えていくというプロセスの中で、「まだここが曖昧だな」という部分を質問にして返していきます。
これを繰り返すことで、相手のチャンクの中身をどんどんと知ることができ、相手にとっても「すごく興味を持ってくれた」と感じます。
これを仕事の例に置き換えてみると、『あの案件どうなってる?』という質問に対して、部下から『ちょっとうまくいってないんです』という答えが返ってきたとき、『うまくいってないじゃわかんないだろ!なにがダメなんだ』と詰問しているようであれば、”うまくいってないこと”の中身を知ることはできず、そこに信頼関係は生まれません。
A『うまくいっていないのは具体的にどこが?』
B『なかなかチームのメンバーを束ねるのが難しくて』
A『どんなところに難しさを感じているの?』
B『C君の主張が強いんですかね』
A『そうなんだ。C君は何について強く言ってくるの?』
というように、かたまりを見つけてほぐす。かたまりを見つけてほぐす。
この繰り返しが、部下の置かれている状況のいち早い理解につながります。
よくある失敗
こうした『コーチング』について学んでいくと、相手の発見を促すことに目覚めて、とにかく「よ~し、発見するぞ!」と力をこめすぎてしまう人がいます。
しかし、なんの前触れもなく
『Aさんってどういうビジョンを持って仕事しているんですか?』
『会社をどうしていきたいですか?』
という質問をして、いきなりぐいっと相手の内にあるものを引っ張り出すような質問は、効果的ではありません。
これは寝起きの朝一番に、牛丼のキングサイズをいきなり食べさせられるようなものです
上司であれば部下に
「最近調子はどう?」
「何か困っていることはある?」
というように、相手が抵抗感なく答えられる質問をして、意識を徐々に内側に入れていきます。
大きな質問をするのはこの後です。
相手を信頼する
コーチングを活かした対話において大切なことは、『相手はきっと答えを自分で見つけてくれるはず』と信頼することです。
コーチとは”人の主体的な行動を促せる人””相手の中にある情報を一緒に探索、発見し、未来に向けた原動力に昇華させることのできる人”です。
相手が『これはどうしたらいいんでしょうか?』と聞いてきたら、まず『○○さんはどうしたら良いと思う?』と問いかけます。
もちろん提案すること自体は悪いことではないし、コーチングにおいても時にはそうすることが必要な状況になることもありますが、提案を考えながら、同時に相手の発見を促そうとすることは、プロのコーチでもなかなか難しいものです。
『あなたはどう思いますか?』という質問を投げかけたら、『うーん』とうなっていても、じっと沈黙を守り、『きっと何かを探り当ててくれる』と念仏のように頭の中で唱えます。
そうすると不思議なことに、こちらが待つというスタンスに立つと、相手から本当にクリエイティブな、これは使えるというようなアイディアが自然とたくさん出てきます。
まとめ
ここまで「コーチングを活用したコミュニケーション術」というテーマでお話をしてきました。
みなさんいかがだったでしょうか??
今回のお話では
コーチングとは、相手の話に耳を傾け、観察や質問、ときに提案などをして相手の内面にある答えを引き出す目標達成の手法のこと。
会話の中でチャンクを見つけ、チャンクダウンしていくことで、相手のことをどんどん深く知ることができ、また、自分から答えを提案するのではなく、相手の中にきっと答えはあると信じて質問を繰り返すことで、自分では思いつかないアイディアが自然とたくさん出てくる。
コーチングを活用したコミュニケーションを意識することで、信頼関係を築き、お互いに成長していくことができる。
というお話をしてきました。
感想
部下とのコミュニケーション、同僚との対話や子育てにおいても、今回のコーチングは活用できそうですよね。
自分が持っている意見を提案することは決して間違いではなく、そうすることが正解の状況もありますが、相手の中にある答えを引き出すために、対等な立場で対話をすることで、相手の成長に大きくつながります。
実際に自分で考えて行動すると学びもたくさんありますよね^^
コーチングを活かして対話をすることで相手との信頼関係も築くことができるようになります。