ブックログは年間120冊の本を読む僕が、面白かった本や皆さんに読んでほしいと思った本を紹介するブログです
今回紹介するのは、中山裕次郎さんの泣くな研修医です。
この本は、研修医として働く主人公:雨野隆二が、色々な失敗や経験から少しずつ成長していくお話です。
テーマについては家族、仕事、研修医、涙、泣くです。
僕自身、この主人公と年齢が近くすぐ泣きそうになってしまうところなど、自分に似た部分が沢山あって他人事とは思えない物語でした。
経験が少ないから分からない。なぜこうするのか、上司の判断は本当に正しいのかという葛藤がリアルで、僕もこんな経験があったなと感じながら読みました。
ストーリー
雨野隆二は25歳、大学を卒業したばかりの研修医だ。
新人医師の毎日は、何もできず何も分からず、上司や先輩に怒られてばかり。
だが、患者さんは待ったなしで押し寄せる。
初めての救急当直、初めての手術、初めてのお看取り。
自分の無力さに打ちのめされながら、ガムシャラに命と向き合い成長していく姿を、現役外科医が圧倒的なリアリティで描く。
こんな人にオススメ
・これから新社会人として働く方
・明日から仕事を頑張りたい人
・仕事がうまくいっていない人
・仕事系の小説が好きな人
泣くな研修医の見どころ
「泣く」という行動がこの小説のテーマになっているように感じました。
様々な仕事や体験を通じて、主人公:雨野隆二が涙するシーンがありますが、その涙には主人公の様々な感情が隠れています。
そんな背景に注目です。
感想
どうするのって言われても俺もわからないよ
p127
しかしこれは治療方針などをどれだけ主体的に考えているか聞いているんだろうと思い・・・
この小説に限らず、普段の仕事でもこの考え方は大事だなと共感しました。
主体的になって動かないと自分自身の成長速度は遅く、良い成果を出すためにはどれだけ主体的になって動けるか、だと思っています。
主人公:雨野隆二が医者という仕事に対してどれだけ真摯に向き合っているのかという表現がされていました。
全ての責任は自分にあるつもりであった。
p145
だから隆二は集中した、これまでの人生でおそらく最も。
主人公:雨野隆二が初めての手術を行うシーンです。
人を手術するという行為はとてつもない集中力が必要だと思います。
もし自分がその立場になったらと思うとすごく怖いです。
お医者さんってすごいですね
「治らない人に、治る見込みは少しはあるかもしれないと言ったっていいでしょ?
p174
治らない人に、治らないって馬鹿正直に言うのはおかしいと思わない?
そりゃ可能性で言ったら1%もないかもしれないわ。
でも、ちょっとくらい希望をもってもらったっていいじゃない。
それが『優しい嘘』よ」
僕は今までにどれだけの優しい嘘をつくことができたでしょうか。
思い出す限り、悪い嘘しか見当たりません泣
優しい嘘をつけるような素敵な人になりたいですね
「琢磨くん・・・」
p260
隆二はそう言いながら泣いていた。
「よくなったねえ」
両目からぼろぼろと溢れ出る涙を、隆二は止められない。
涙はぽたり、ぽたりと琢磨の足にかかった。
お医者さんがここまで本気で向き合ってくれたらすごく嬉しいですよね。
雨野隆二が泣くシーンの中でも特別な描写です。
人のために泣ける人って素敵ですよね。
最後に
小説の要所要所で、主人公:雨野隆二が上司に対して「なんで慰めの言葉をかけてあげないのだろう」と感じるシーンが何度かありました。
僕も読みながらすごく共感したのですが、それには医者としてのちゃんとした理由があります。
この理由が知りたい方は是非実際に読んでみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは。