ブックログは年間120冊の本を読む僕が、面白かった本や皆さんに読んでほしいと思った本を紹介するブログです。
今回紹介するのは、アンデシュ・ハンセンさんのスマホ脳です。
この本は、日々何気なく使用しているスマホが私たちの脳にどうのような影響を与えているのかについて解説している本になります。
テーマについてはスマホです。
ついついスマホをだらだら見続けてしまい、1日が終わってしまったという経験はありませんか??
僕はつい最近までそのような状態が続いており、なぜそのような状態になってしまうのか気になっていた時、この本に出会いました。
様々な実験結果に基づき、スマホが脳に与える影響が書かれており、すごく面白い内容となっています。
スマホ脳の内容紹介
平均で1日4時間、若者の2割は7時間も使うスマホ。
だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。
なぜか?
睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存。
最新研究から明らかにするのはスマホの便利さにおぼれているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。
教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸。
こんな人にオススメ
・ついついスマホを手に取ってしまう人
・集中力ないと感じる人
・スマホが脳に与える影響について興味がある人
この本の見どころ
スマホが手元にあるだけで集中力に影響してしまうことをご存じですか??
勉強や仕事、運動などイマイチ集中しきれないと感じている人はその原因が分かります。
スマホが脳に与える影響というのは私たちが思っている以上に大きく、強力であるということを本書を読むことで知ることが出来ます。
その原因に注目です。
読んでみての感想
スマホやその他のデジタル画面を見ている時間、つまりスクリーンタイムについても取り上げた。
p13
実はこの本を書いたのには個人的な理由がある。
1年前、自分が毎日スマホに3時間近く費やしていることに気付いてショックを受けたのだ。
3時間もだなんて!
みなさんは1日にスマホを何時間使用していますか??
僕はほとんど使っていないと思える週でも1日平均約3時間はスマホを使用しています。
仕事や必要なことをするための時間を除いても僕は多いなと感じました。
また、実際に数字で見るとその多さが実感できます。
スマホを使用しない時間を意図的に作っていかないと、スマホをいじるだけの人生になってしまいそうです。
生き延びて子孫を増やす確率を高められる特性、それがさらに受け継がれ、当たり前の存在になるには長い時間がかかる。
p28,p30
こうやって植物や動物は私たちが、私たち人類も含め、環境に適応してきた。
中略
種に大きな変化が起こるには、長い時間、本当に長い年月がかかる。
この内容は本書の中でもかなり大事な内容となっています。
人は何十万年という歴史を経て、脳の構造や体は進化してきました。
進化というのは長い年月を経てようやく完成していくものです。
しかし、スマホが普及してからSNSが日常的に使用されるようになったのはつい最近の出来事であり、人間はスマホに限らず適応しきれていないというわけです。
また、これから先の内容ではそれらの科学的根拠が紹介されていきます。
ネガティブな感情はポジティブな感情に勝る。
p39
人類の歴史の中で、負の感情は脅威に結び付くことが多かった。
そして脅威には即座に対応しなければならない。
食べたり飲んだり、眠ったり交尾したりは先延ばしにできるが、脅威への対処は先延ばしにはできない。
強いストレスや心配事があると、それ以外のことを考えられなくなるのはこれが原因だ。
心配事があると集中しきれないという経験をしたことがある人は多いと思います。
僕も心配なことがあると、他にやらなければいけないことがあっても出来ないことが多々ありました。
でもそれにはちゃんとした理由があったんですね。
仕事が嫌で日曜日の昼くらいから憂鬱な日もありました。
数十万年分の時間を巻き戻して、食べ物の入手という永遠の課題に挑んでいる女性が2人いるとしよう。
p73
片方には新しいもの、新しい場所、新しい環境を探したいという衝動があり、もう片方にはない。
前者の方が食べ物を見つけられる可能性は高いだろう。
移動すればするほど、食べ物が見つかる確率が高くなるのだから。
今度は、あなたや私が生きる時代まで早送りしてみよう。
脳は基本的に昔と同じままで、新しいものへの欲求ものこっている。
中略
パソコンやスマホのページをめくるごとに、脳がドーパミンを放出し、その結果、私たちはクリックが大好きになる。
人間は新しいものへの欲求があり、様々な場所へ移動することで食べ物を確保して生きてきました。
現代において、情報を大量に流してくれるスマホは、脳にとって非常に重要なものであると思ってしまいます。
私たちがスマホを手放せないのにはちゃんとして理由があるんですね。
SNSの開発者は、人間の報酬システムを詳しく研究し、脳が不確かな結果を偏愛していることや、どのくらいの頻度が効果的なのかを、ちゃんとわかっている。
p78
中略
このような企業の多くは、行動科学や脳科学の専門家を雇っている。
そのアプリが極力効果的に脳の報酬システムを直撃し、最大限の依存性を実現するためにだ。
僕はこの内容をよんですごく怖いなと感じました。
SNSについつい夢中になってしまうのも、このような理由があると分かると納得します。
スマホが人を操っているような風刺画もありますが、あながち間違いではないようです。
SNSとの上手な向き合い方が大切だなと感じました!
サイレントモードでもスマホは私たちの邪魔をする
p93
集中力も作業記憶も、私たちが複数に同時にしようとすると悪影響を受けるようだ。
中略
スマホには人間の注意を引きつけるものすごい威力がある。
その威力は、ポケットにしまうくらいでは抑えられないようなのだ。
人はマルチタスクが苦手です。
自分はマルチタスクが得意だと言い張るひとがいても、それは非効率なことに気付いていないだけであり実験結果も出ています。
スマホは近くにあるだけで人間の注意を引きつけるものすごい威力があり、スマホを無視するためのキャパシティーを使わざる負えないわけです。
結果、スマホが近くにあるというだけでマルチタスクになってしまいます。
本当に集中したいときはスマホを別室に置いておくなどの対処が必要になってきます。
ある研究で約30名に、知らない人と10分間自由に話してもらった。
p106
テーブルを挟んで座り、一部の人はスマホをテーブルに置き、それ以外の人は置かなかった。
その後被験者たちに会話がどのくらい楽しかったかを尋ねてみると、視界にスマホがあった人たちはあまり楽しくなかった上に、相手を信用しづらく共感しにくいとも感じていた。
スマホはただテーブルの上にあっただけで、手に取ることは許されなかった。
スマホが視界に入っているだけで、気をとられてしまうんですね。
僕はこの内容を読んで、食事などの場ではスマホを机の上に出さないように心がけています。
みなさんの中にも、食事中にスマホを机の上に置いてしまっているという人はいませんか?
食事中は鞄の中にしまっておくだけで、有意義な時間が送れるようになるかもしれませんよ。
ツイッターにも独自のテクニックがある。
p159
スマホでアプリを立ち上げると、青い画面の中で白い鳥が何度か羽ばたいて、スクリーンを埋め尽くすほど大きくなる。
それから突然、ツイートが全て現れる。
これはログインに時間がかかるわけでも、接続状態が悪いせいでもない。
待たせることでスリルを増加させているのだ。
この遅れは、あなたの脳の報酬システムを最大限に煽るように入念に計算されている。
ツイッターのあの動きにはちゃんとした意味があったのかと感心しました。
何気なく見ている動きや機能には人間の特性を利用しているものがいくつも存在しています。
こういう制作者の裏側の意図を知れると、それだけでもSNSに対する耐性がついている気がします。
身体を動かすと心が健康になるというのは、ただの始まりに過ぎない。
p204
基本的にすべての知的能力が運動によって向上するのだ。
集中できるようになるし、記憶力が高まり、ストレスにも強くなる。
多くの人がストレスを受け、集中できず、デジタルな情報の洪水に溺れそうになっている今、運動はスマートな対抗策だ。
最善の方法と言っていいかもしれない。
運動をすることで様々な効果があり、スマホを触りたいという衝動的なものも抑えられます。
仕事で疲れたからといってソファに寝転がりスマホをいじるよりも、少し外に出て体を動かしたほうが圧倒的にストレス軽減につながります。
また運動全般において良い効果が期待されますが中でも軽いジョギングが特に効果があります。
身体を動かすのは本当に大事なんですね!
自然は私たちに一時的な幸せを与えてくれた。
p234
美味しいものを食べたときや友人と一緒にいるとき、仕事で昇進したときなどに感じる幸福感だ。
しかしこういったポジティブな感情はすぐに「もっと食べたい」「もっと出世したい」という欲求に変わってしまう。
そこにはもっともな理由がある。
引き続き行動に出られるようにするためだ。
不安という感情は人を行動させるための大きな原動力になります。
漠然とした不安が日々つきまとうのもこれが原因です。
しかし不安が常につきまとうから幸せになれないとそう言いたい訳ではありません。
睡眠をよくとり、体を動かし、社会的なつながりを大事にすることが幸せへの第一歩です。
スマホにとらわれすぎず、日々の生活を送ることが大切です。
最後に
スマホ脳を読んで、スマホが脳に与える影響はこんなにもあったのかと驚きました。
SNSに夢中になってしまう理由や制作者の本当の意図を知ることが出来たのはすごく面白かったです。
今回紹介した内容の他にも、紹介しきれなかったものが沢山あるので、気になった方は是非読んでみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは。