運動が脳に与える様々な影響について【本紹介】運動脳

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ブックログは年間120冊の本を読む僕が、面白かった本や皆さんに読んでほしいと思った本を紹介するブログです。

今回については、運動が脳に与える様々な影響についてというテーマで「運動脳」という本についてお話していきます。

この本は、スウェーデンで精神科医として活動しているアンデシュ・ハンセンさんという方が書かれた本です。


この方は他にも「スマホ脳」という、スマホが脳に与える影響について書かれている本も出版しています。

「スマホ脳」の簡単な内容としては、スマホが脳に与える影響というのはあまり良い影響ではなく、その理由について、様々な科学的根拠をもとに説明していくというような構成です。

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「スマホ脳」の中には、運動が脳に与える影響についても少し書かれていたのですが、本書「運動脳」では、運動が脳に与える様々な影響についてより深堀した内容となっています。

運動が脳に与える影響について説明を行う前に、大前提として、人類の歴史についての説明が入ります。

この前提条件というのは、人は遥か昔の時代、それこそ何百万年という長い期間の間、狩りをして生活をしていたということです。

そして、人に限らず生き物は全て、何万年という長い長い期間の中で少しずつ変化を繰り返し、子孫を繁栄していけるように進化をしてきました。

産業革命が起きてから約200年間で、人の生活というのはものすごい速さで変化しています。

今では狩りをして食料を調達する必要はなくなり、スーパーに行けば食べ物が簡単に手に入りますし、ネットで注文すれば玄関まで届けてくれるような時代です。

200年という期間も私たちにとっては十分長いと感じる年月ではありますが、人類がこれまで歩んできた何百万年という期間に比べるとちっぽけな時間です。

この200年という短い期間で大きく変化した生活に、私たち人間の脳はまだまだ全く適応できていないというのが、アンデシュ・ハンセンさんが特に強調していた前提条件になります。

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狩猟時代は一日のほとんどを体を動かしていたという生活環境から、運動やスマホが脳に与える影響というのは、もうすでになんとなく想像がつきますよね!

この本では、その影響について、さらに詳しく深堀していきます。

目次

運動と脳の連携について

運動と脳というのは密接に関係しています。

僕たちが普段何気なく行っている動作で、走ったり、泳いだり、自転車をこいだりという動作では、頭の中の色々な領域が複雑に連携しています。

ピアノの演奏を例に説明すると、まず最初に鍵盤をみる必要があって、その視覚情報は、頭の中の後頭葉と言われる部分に伝わります。

手と指を動かすために、運動皮質という部分が指令をだして音を出すことができます。

そして、出た音は頭の中の側頭葉・頭頂葉で処理が行われて、最後に前頭葉に信号が送られ、弾いた音が間違っていれば弾き直すという処理が行われています。

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演奏の練習をしていると、最初はうまくいかなくてもだんだんと上手になっていきますよね。

それは、さきほど説明した脳の各領域の連携が、同じ動作を繰り返すことでスムーズになっていくからです。

機能的に優れた脳というのは、大きさとか、頭の中の細胞の数が多いとか、そういうものではなく、各領域がしっかりと連携することができる脳のことを言います。

そして、体を活発に動かすことによってその連携を強化することができます。

脳の各領域がしっかりと連携している人は、記憶力が優れている、集中力が高い、教育水準が高い、飲酒や喫煙に対する自制心が強いといった傾向が強く、逆に連携がとれていない人は、カッとなりやすかったり、過剰な喫煙など、なにかしらへの依存があるという傾向が強いそうです。

運動はストレスをコントロールする

運動をすることでストレスをコントロールできるようになります。

1.ストレス物質の抑制

運動を行うと「コルチゾール」と言われる、一種のストレス物質の分泌を抑えることができるようになります。

大勢の人の前でスピーチを行うとき、いつもより極端に唇が渇いたり、体が震えたりしたという経験はありませんか??

これは、血中の「コルチゾール」と言われる物質が増えているため起こる現象です。

運動と「コルチゾール」にどのような関係があるのかというと、運動している間、このストレス物質である「コルチゾール」は分泌量が増えています。

この理由は、身体に負荷がかかる活動は一種のストレスだからです。

ここだけ聞くと「じゃあ運動しないほうがいいじゃん」となるのですが、定期的に運動を行うことで、運動以外の原因でストレスを抱えていても、コルチゾールの分泌量はほんの少ししか上がらなくなっていきます。

2.ストレス抑制物質の分泌

運動を行うと「GABA(ギャバ)」の働きが活発になります。

「GABA」というのはストレスを抑えてくれるアミノ酸です。

定期的に運動を行うことで、ストレスを生み出す源である大脳皮質下で、GABAの動きが促進されていきます。

つまり、運動を行うことでストレスの大元から解消してくれる効果があります。

3.ストレスの無害化

筋肉にはストレスを無害化する効果があります。

とある研究では、筋肉を増強したムキムキのマウスに、まぶしい光をあてたり、騒音を聞かせるという実験を行いました。

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ムキムキのマウスさんかわいそうですね。。

しかし、そのムキムキのマウスは、ストレスの影響をほとんど受けなかったそうです。

ストレスを受けると、体の中に「キヌレイン」という物質が発生するのですが、筋肉はこのキヌレインという物質を無害化する効果があるそうです。

結果的に、そのストレス物質は脳に到達することができなくなります。

最後に

今回、運動が脳に与える様々な影響についてというテーマで、「運動脳」という本の紹介を行いました。

他にも紹介できていない内容もたくさんあるので、気になった方は是非読んでみてください!

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この記事を書いた人

みなさんこんにちは!
フリーのwebクリエイターとして活動しているkeiです。
普段はホームページ制作とstandfmアプリにて音声配信を行っています。

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