ブックログは年間120冊の本を読む僕が、面白かった本や皆さんに読んでほしいと思った本を紹介するブログです。
今回については、AI vs 教科書が読めない子供たちという本を読んでみて感じたことについてお話していきます。
この本は新井 紀子(あらい のりこ)さんという数学者の方が書かれた本で、新井紀子さんは2011年から東大合格を目指すAI「東ロボくん」の開発に携わっています。
AIに仕事を取られる未来は来るのか??
最近では「AIによって人の仕事がどんどん無くなっていく」というような話を聞いたことがある人も多いんじゃないかなと思います。
そんな「AI」に対するイメージが勝手に大きくなってしまっているというのが現状であり、AIというのはそこまで万能ではない、という内容が冒頭で書かれています。
僕自身もAIに対してそこまで深く知る機会もなく、なんとなくのイメージで、研究が進んでいけば、現在人が行っている仕事の多くがAIで代替できてしまうのかなと思っていました。
実際には、少なくとも今現在の研究においては、AIというのはなんでもできるというほど万能なものではなく、まだまだ多くの欠点が存在します。
僕たちが「AI」と呼んでいるのは「AI」ではなく正確には「AI技術」のことになります。
AIというのは日本語訳で人工知能のことで、人間と同等程度の人工知能でなければAIとはよべません。
そのAIを完成させるために、日々研究されているのがAI技術と言います。
ここの違いが曖昧になっているため、もうすでにAIは完成していて、僕たちの生活に大きな影響があり、近い未来、人の仕事もAIに全てとられていくというようなイメージが独り歩きしている原因にもなっています。
それでもAIの技術はすごい速さで日々進歩していて、僕たちの生活の中でも多く存在します。
例えば、アイフォンで使われているsiriは音声認識のためのAIです。
他にも、グーグルマップのストリートビューでは人の顔や看板にモザイクがかけれていますが、あれは人が手作業で行っているのではなく、AIが人の顔や看板を認識して自動的に行っています。
冒頭で紹介した東大合格を目指す東ロボくんの偏差値は、東大合格にはまだ届いていませんが、2016年の模試では偏差値57.1でMARCHなどの難関大学でも合格できる可能性があるそうです。
そこまでの知能を持っているAIが人の競争相手になってくると考えると結構怖いですよね。
さっきは欠点が多いって言っていたのに、結局AIってすごいのかすごくないのかどっちなの??という話ですが、AIというのは得意分野と苦手分野があって、得意分野の領域では今後AIが人の仕事を担っていくと言われています。
得意分野というのは、「フローが明確」「データが膨大」であるものになります。
将棋やチェスでAIがプロ相手に勝ったというニュースで一時期盛り上がっていた時がありました。
なぜAIが人に勝てたのか、その原因は将棋やチェスがAIの得意分野の領域だったからです。
将棋やチェスはルールが明確に決まっていて、対局の流れも過去をさかのぼれば、数え切れないほどの膨大な量のデータがあります。
反対にAIが苦手な分野というのは、僕たちの「常識」や「感情」を理解するのが苦手です。
AIといっても所詮は機械で、全ては計算の上で成り立っています。
このことから、例えば、「暑いから冷たいジュースを飲む」や「おなかが痛い」というような、僕たちの感覚では当たり前のことでも、こういった内容を数値としてあらわすことは難しく計算によって判断を行っているAIに教えるのはすごく難しい作業になるそうです。
僕自身もそうだったのですが、AIは万能でなんでもできてしまえるようなイメージを持っていたのですが、実際にはそんなことはなく、勝手なイメージを持っていたなと感じました。
ただ、AIの得意分野の領域では、今まで人が行っていた作業がAIに変わっていて、今、自分が行っている仕事の将来性というのはよく考えないといけません。