ブックログは年間120冊の本を読む僕が、面白かった本や皆さんに読んでほしいと思った本を紹介するブログです。
今回紹介するのは、小倉広さんのもしアドラーが上司だったらです。
この本は、アドラー心理学を基に、働く理由や仕事の楽しさを教えてくれる物語です。
以前「嫌われる勇気」という本を読んでからアドラー心理学に興味があり、そこで見つけた本が「もしアドラーが上司だったら」でした。
基本的な内容としては「嫌われる勇気」と同じなのですが、説明の仕方や言い回しが違っていて新しい発見があった一冊です。
個人的には「嫌われる勇気」よりも読みやすい内容だったなと感じています。
ストーリー
広告代理店で営業マンとして働く「ボク」は、仕事がうまくいかず、毎日モヤモヤしている。
そんなボクの前に、アメリカの大学院でアドラー心理学を修めたドラさんが上司の課長としてやってきた。
こんな人にオススメ
・仕事がうまくいっていない人
・人間関係に悩んでいる人
・働く意味を知りたい人
・幸せになりたい人
見どころ
仕事をする上での考え方や価値観が大きく変わる一冊でした。
この本を読むことで、心の負担をやわらげ今よりも楽しく仕事に取り組めるコツを学ぶことができます。
そんな考え方に注目です。
感想
「そのときのことを思い出してくれよ。
p24
いいかい。リョウ君。
キミはそのとき、次々とアポイントが取れて「できている自分」に注目していた。
どんな気分だったかい?」
「もちろん、最高の気分です」
「自分のこと、どう思った?」
「やればできるじゃん!自分ってけっこう才能あるかも。
そう思いました」
「うんうん。それで?
「もうやーめた。現状維持でいいや」と思ったかい?
それとも「よーし、もっとやるぞ!もっとできるぞ!」と思ったかい?
どっちだった?」
中略
決して現状に満足して手を止めたりしなかった。
満足すればするほど「もっと、もっと」とさらに上を目指したのだ。
これまでネガティブな感情で自分を追い込むことが多く、この内容を読んだときになるほどなと思いました。
確かに、今僕が書いているブログでもそうですが、成果が出ているときって勝手にやる気が出てくるんですよね。
仕事でもうまくいっているときは自然と頑張ろうという気持ちになります。
自分をほめてやる気を出すのは、心の負担も軽いので良いことだなと感じました。
早速実践しよう。
「いいかい、リョウ君。
p28
人の行動の95パーセントは「できている」行動だ。
しかし、ぼくたちはたった5パーセントの「できていない」行動ばかりに注目して「できている」95パーセントを無視してしまうんだ。
それでは、エネルギーが湧くわけがない。
やる気が起きなくて当然だ」
小学生の頃、普段宿題をやらない人がたまに宿題をやってきて先生に褒められていたのを思い出しました。
普段の生活でも同じことを自分にしてはいませんか??
毎日頑張って働き、生きている自分をまずは褒めてあげましょう!
「ほぉ、リョウ君は今回のことを「失敗」だと思っているんだね」
p40
「当たり前じゃないですか。これが失敗でなくて、何だと言うんですか」
「ボクはそうは思わないよ。
ボクはね、これはキミにとっての素晴らしい「経験」だと思うんだよ。
良かったじゃないか!
これでキミは重大なミスに気づき、セコさんの気持ちがよぉくわかった。それもこれもこの経験のお陰じゃないか!
良かったね!」
失敗を「失敗」と捉えるか「経験」と捉えるかという内容です。
失敗したときにただ自分を責めるのではなく、これも経験だと捉えることで自分の成長にもつながり精神的負担も軽くすることが出来ます。
失敗することに対して恐怖を感じてしまうとどうしても良いパフォーマンスを出すことは出来ません。
失敗も経験と捉えると、ポジティブなイメージに変わりますよね。
「ネガティブな感情を押し殺してはいけない。
p56
なかったことにしてはいけない。
「否認」「抑圧」「歪曲」せず、きちんとありのまま、そのままに見る。
自分に正直なことはとても重要なことなんだよ。
「あぁ、ボクは今、不快だな」とか「腹が立っている。むかついている」とか。
それを見ないふりをしてはいけない。
きちんと認めることが大切なんだ。」
僕は嫌なことがあっても無理やりポジティブ変換をして自分を鼓舞するときがありました。
ネガティブな感情に蓋をして見て見ぬふりをするのはとても苦しいことだと思います。
自分の気持ちに嘘をつき、本当の気持ちに嘘をつき続けると心の病気になってしまいます。
今の感情と向き合い、そのうえでどうしたら今の状況を変えることが出来るのかを考えていくことが大切です。
「いいかい、リカ。
p113
自分にダメ出しをして追い込んで成長する厳しい物語と、人からほめられて調子に乗って成長する楽チン物語。
いったい、どっちがカッコイイと思う?」
リカは即答した。
「厳しい物語のほうです」
「そう、そのほうがカッコイイだろう?
もしかしたら、リカは理想の自分、つまり「優越」を感じたいがために、アドラーのように、自分に都合のいいストーリーをつくり、過去を捏造しているのかもしれないよ」
過去の辛かった経験があるから今の自分がいると思ったことはありませんか??
人は辛かった過去を美化して、あの辛い経験があったから今の自分がいると思いがちです。
僕も過去の辛い経験が今、役に立っていると感じることは確かにあります。
しかし、前項でも紹介した通り、人は自分を追い込まなくても褒められることで自分を高めようとするものです。
無理に自分を追い込む必要はなく、精神的負担を感じる原因にもなってしまうので注意が必要です。
「一方で、勇気がある人は自分には存在価値があると分かっている。
p131
だから機能価値がなくても自分は人から愛され、仲間がいて、居場所があるとわかっている。
だから機能価値がなくても自分は他人から愛され、仲間がいて、居場所があると思っている。
肩の力が抜けているんだ」
機能価値を気にしすぎると、なにか失敗をした時に自分の存在意義を否定してしまうことがあります。
失敗を恐れてしまうと心の余裕はなくなり良いパフォーマンスを発揮することが出来なくなってしまいます。
自分には機能価値がなくても自分は他人から愛され、仲間がいて、居場所があると思えることで、余裕が生まれ良い結果が生まれます。
僕は仕事で、この「機能価値」に焦点を当てていたなと感じました。
失敗することが怖く、出来ないやつだと思われたくないと思っていました。
しかし、その考えではどうしても委縮してしまいます。
「カップを洗うか洗わないかはリョウ君の課題。
p152
それにどう反応するかは、彼らの課題。
こんな風に「それは誰の課題か?」を明らかにして、自分の課題だけに集中する、他人の課題を解決しない。
アドラー心理学ではそれを「課題の分離」と呼ぶんだ」
中略
「他人の課題を背負うから苦しくなる。
できないことをやろうとするから苦しいんだ。
キミはキミの課題だけを考えればいいんだよ!」
他人の評価を気にしすぎると、どうしても生きづらさを感じてしまいます。
また、他人の評価は自分がどうこうできる問題ではありません。
自分が今できることに集中し、生きていくことが大切なんだなと気づくことができました。
ボクは頭の中を整理してみた。
p176
そうか。ボクがやろうとしていたステップは、
①反対
②意見
という順番だった。
一方でユウ君がやっていたステップは、
①共感
②提案
という順番だ。
ボクは①が反対から始まっている。
ユウは①が共感から始まっている。
この差は大きい。
本を読んでいても、この考え方はありえないと感じてしまうことがありました。
しかし、そこで切り捨ててしまっては学びはありません。
そういう考え方もあるのかと共感することが大切です。
本に限らず、人の意見に対して反論してしまっては相手も自分の話を聞いてはくれません。
どんな意見でもまずは共感し、そのうえで自分の意見を持つことが大切です。
ボクは本を読む前に「既に」学んでいたのだ。
p190
だから、すぅーっと体に入っていった。
ボクは改めてドラさんに対する感謝の気持ちでいっぱいになった。
予備知識があるのとないのでは理解力が変わってきますよね。
一回目は意味が分からなくても、二回目で理解できたという経験はありませんか??
よく学生の頃、予習は大事だよと散々言われてきましたが、大人になった今ようやくその意味が理解できました。
最後に
「もしアドラーが上司だったら」を読んでみて新しい発見や価値観を学ぶことができました。
内容としても説明が丁寧ですごく分かりやすかったです。
アドラー心理学に対する感じ方が、嫌われる勇気を読んだときとも違っていて、その点も面白いなと思った一冊でした。
また当記事では紹介しきれなかった内容や、話の流れを理解することで、僕とは違った考え方も生まれてくるので、気になった方はぜひ読んでみてください。
すごく面白くて大満足の一冊でした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは。