ブックログは年間120冊の本を読む僕が、面白かった本や皆さんに読んでほしいと思った本を紹介するブログです。
今回紹介するのは、安藤広大さんの数値化の鬼です。
仕事をしていく上で成長していくために、数字と向き合い考えることの大切さが書かれています。
テーマについては数値化です。
「数値化の鬼」の内容紹介
「客観的に見ろ」というアドバイスがあります。
このアドバイスが過去に、何千、何万、いや何億回と言われてきたことでしょう。
しかし、そんな簡単に、「自分に足りていない部分」は見えないものです。
ただ、世の中には、それを可能にするものがあります。
それが「数字」です。
数字は、客観的な視点を与えてくれる「モノサシ」です。
「仕事ができる人」「急成長する人」には、ある共通点があります。
それは、物事を「数字で考えられる」ということです。
足りない部分を数字で認識して、正しく埋めようとする。
つまり、「数値化」の思考がものをいう。
こんな人にオススメ
・仕事がうまくいっていない人
・仕事で成果を出したい人
・部下の指導に悩んでいる人
実際に読んでみての感想
感情ではなく数値化して訴えかける
「この商品は1000万円の売上が見込めます。その理由には3つあって…」
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「このシステムを社内に導入したら、毎月200万円のコストが削減できます。
それだけで、5人分の給料が削減できます…」
このように、誰かに伝える段階では、数値化させることが有効です。
中略
よく社長が験担ぎをしたり、神社にお参りをしたりします。それは、
「やるべきことはすべてやった」
「数学的な検証はすべて考え抜いた」
というように、他にやるべきことを終えてから儀式的に行うから意味があるのです。
順番を間違えない
引用のように誰かに説明するとき、数字が根拠としてあるだけで説得力が増します。
誰かに伝える段階では、数値化させることが有効です。
また、全ての物事を数値化して検証し、全てをやり終えてから、数値では測れないものに頼るというのが正しい順番です。
本書に関連して、「CHANCE」という本では以下の内容が書かれています。
無謀な挑戦は無駄な努力になってしまうからなんだ。
CHANCE
結果が失敗だと「やっぱりだめだったか」だし、たとえ成功しても「運がよかった」になるだけだ。
無謀な挑戦を避けるためには、数値化が有効になってきます。
失敗と向き合う
数値化をすることで、自分ができていないことが明確になります。
明確にするために数値化を行うのに、そこから目を背けてしまっては意味がありません。
もっとも避けないといけないのは、失敗を失敗と認めないことです。
「アポを1日5件入れる」という目標があったとして、3件しか入れられなかったときに、どのように受け止めるでしょうか。
「半分以上できたから、まあいいか」
と、自分に甘い評価をしていないでしょうか。
数値化したうえで、しっかりと自分と向き合い、改善していくのが大切です。
どうしても言い訳をしたくなる気持ちも痛いほど分かります
ニセモノの数字を追わない
ここで言うニセモノの数字とは、○○力という概念です。
「前年は営業がいまいちだったので、今年は営業力の強化に努めます。」
目標を立てる際にこのような表現をしてしまっていることはないでしょうか?
これらは、数値化にみせかけた「ニセモノの数字」と呼びます。
具体的にはなにをするのか、数値化することが大切です。
とにかく数をこなせ!そのうえで数値と向き合う
著名なヒットメーカーや有名デザイナーも、話を聞いてみると、驚くほどの量をこなしていることが分かります。
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そのうちのいくつかが圧倒的に成功すると、あたかも「それしかやっていない」ように見えます。
行動量は「見えない努力」だからです。
「あの人はうまくいってばかりだな」と、見かけにダマされないことです。
まずは数をこなすことが大事
どんなに成功しているように見える人でも色々な失敗をしています。
周りの人はうまくいっているのに自分だけうまくいかないような感覚はすごく分かります。
しかし、実際にはどうなのでしょうか。
その数に差はあれど、成功しているように見える人たちも、たくさんの失敗をしているはずです。
他人には見えない努力やとことん数をこなして成長していくことが大切だと感じました。
まずは素直に受け入れる
疑問に思うことを1つ1つ確かめている人より、与えられたことを素直にやる人のほうが仕事は上達します。
まずは言われたとおりにやってみて、その上で疑問に感じたことや改善したほうが良いことがあれば提案するというのが正しい流れです。
無駄だなと感じることでも、過去に起こったトラブルが原因で再発防止のためやっていることもあります。
やる前から文句を言うのではなく、まずはやってみる。
そのうえで、提案することが大切です。
僕の周りでも、とにかく自分のやり方を貫こうとする人は仕事ができる印象はありませんでした。
提案するときは、数値化して提案することで説得力が増すかもしれませんね。
成功は行動量が絶対条件
成約率80%の人と、成約率50%の人がいるとします。
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どちらのほうがすごいと思いますか?
おそらく、前者のほうを選ぶかもしれません。
しかし、それが誤解の始まりです。
成約率80%の人が、10件中8件の契約を取ってきていたとしましょう。
一方で、成約率50%の人は、50件中25件取っていたとします。
いかがでしょうか。
これでも、前者の方が優秀だと言えるでしょうか。
見た目だけの確立にだまされない
仕事だけでなく、普段の日常生活においても大切なことだと思います。
引用で説明されている、成功率80%の人が、50件営業してその数値を維持できているなら前者のほうが優秀ですが、データとしては信憑性が低いですよね。
本書「数値化の鬼」では、とにかく数をこなすことが大切という考えなので、後者である成約率50%の人のうほうが優秀であると言っています。
見た目の数値(今回で言えば%)をありのまま見るのではなく、その中身も重要な判断材料となります。
評価は、マイナスかプラス
たとえば、次のように年に4回の評価を部下に下すとします。
・1回目「結果が出たからプラス3」
・2回目「未達だったのでマイナス2」
・3回目「あと一息だったのでマイナス1」
・4回目「大きな成果を出したのでプラス4」
しかし、評価にゼロがあると思っている部下は、次のような誤解をします。
・1回目「今回はプラス3」
・2回目「全然ダメだったからゼロ」
・3回目「今回も良くなかったからゼロ」
・4回目「よし、大きな成果が出たからプラス4」
ここにお互いの意識のギャップが生じます。
前者のほうが自己分析ができていて今後の成長にも大きくつながります。
後者は自己分析も甘く、危機意識が生まれないため大きな成長はしないでしょう。
会社員として「ゼロ評価」というのは結構多いんじゃないかなと思います。
僕も以前勤めていた会社ではこのような評価体制でした。
マイナス評価があることで、できていない自覚が生まれ、ゼロ評価だと「良くはないけど悪くはない」という意識が芽生えてきます。
ここでも数値化してしっかりと自分と向き合うことの大切さが伝えられていますね。
変数を見つける
たとえば、大事なプレゼンに望むとします。
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資料作成の時間を1時間から2時間に増やし、レイアウトやデザインにこだわり抜いたとします。
しかし、プレゼンの結果があまり変わらなかったらどうでしょう。
ここで、2時間の努力を3時間や4時間に増やし、さらに資料作成に時間をかけるのは、間違った努力の仕方です。
それは、「プレゼン資料の完成度が変数ではない」からです。
最適な変数(努力の方向)を見つけるのが大事
数値化をして変数を見つけることが大切です。
変数とは、結果を出すためのキーとなるものです。
引用で紹介されているのは、プレゼンの資料は変数ではなく、その他の何かが変数にあたります。
この変数を見つけるために重要なのが数値化です。
数値化をして分析をすることで、どのアクションが一番効果が高いのかを見極めることができるようになります。
変数の見つけ方
変数を見つけ出すためには、「なぜ?」を繰り返すことが大切です。
仕事の工程を細分化し、この工程ではどうなのかを考え、仮説を立て実行し、また分析をする。
この工程を繰り返すことで変数を見つけることができるようになります。
これらの作業を行うためには数値化しなければ分析を行うことができません。
数値化し分析することで兆しを感じ取る
そもそも、売上が大きく悪化する前には、「衰退の兆し」があるものです。
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「1店舗当たりの来客数が減ってきている」
「競合が現れたことにより、客の奪い合いが起きている」
など、早めに見つけて次の手を打つべき「数字の変化」があったはずです。
物事には「兆し」というものがあります。
成功にも失敗にも必ず、その兆候となるものがあるはずです。
その兆しを敏感に察知するためには、数値化が大切です。
できない理由を環境のせいにしない
環境のせいにしていいのならば、経営者は次のようなことだって言えます。
「今の日本は成長していないから、会社の業績が悪くても仕方ないよね」
どうでしょう。
こんなことを言う経営者の下で働きたいでしょうか。
会社の社長がこんなことを言っていたら恐ろしいですよね。
社長の方のお話を聞いていると、結構厳しいような意見を聞くこともありますが、経営者であればどんな状況でも利益を追わなければなりません。
環境のせいにして業績の低下に目を向けなければ、すぐに倒産してしまうのは目に見えています。
最後に
心の中で数字の「モノサシ」を確認する作業を怠ってはいけないということが伝わったのではないでしょうか。
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数字に表れない「やりがい」や「達成感」は、数字を追いかけた先で、ふと振り返るとついてきているものです。
そして、その逆はありえません。
今回「数値化の鬼」を読んで、様々なことを数値化して考えることの大切さを学ぶことができました。
「○○力」という言葉を、本書を読む前は結構使っていたので、今後は数値化をして具体的な目標設定をしていきます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは。