ブックログは年間120冊の本を読む僕が、面白かった本や皆さんに読んでほしいと思った本を紹介するブログです。
今回紹介するのは、岸見一郎・古賀史健さんの幸せになる勇気です。
この本は、どうすれば幸せに生きることが出来るのかについて書かれている物語です。
嫌われる勇気の続編となっているので、まだ読んでいないかたは先に嫌われる勇気を読むことをおすすめします。
また、嫌われる勇気に関する記事も書いているので気になったかたは是非読んでみてください。
テーマについては幸せです。
嫌われる勇気を読んだときに新しい発見がいくつもありました。
今までに読んできた本の中でもかなり衝撃を受けた内容であり、その本の続編があるということで読んでみようと思いました。
内容としては嫌われる勇気をさらに深堀したものとなっており、所々に復習も兼ねている部分があるので、嫌われる勇気の内容をほとんど覚えていないという方でも安心して読むことが出来ます。
内容紹介
人は幸せになるために生きているのに、なぜ「幸福な人間」は少ないのか?
アドラー心理学の新しい古典「嫌われる勇気」の続編である本書のテーマは、ほんとうの「自立」とほんとうの「愛」。
そして、どうすれば人は幸せになれるか。
あなたの生き方を変える劇薬の哲学問答が、ふたたび幕を開ける。
こんな人にオススメ
・アドラー心理学に興味を持ち、もっと深く知りたいと思っている人
・嫌われる勇気を読んだことがある人
・人間関係に悩む人
・生きる意味が分からない人
・幸せを感じることが出来ていない人
見どころ
全ての悩みは対人関係から生まれる、その言葉の裏には全ての喜びもまた対人関係にあるということを意味しています。
今、生きづらさを感じている人はどうしたら幸せに生きていくことが出来るのか、この本を読めばそのヒントを知ることが出来ます。
そんな考え方に注目です。
感想
自分を変えるとは、「それまでの自分」に見切りをつけ、「それまでの自分」を否定し、「それまでの自分」が二度と顔を出さないよう、いわば墓石の下に葬り去ることを意味します。
p63
そこまでやってようやく、「あたらしい自分」として生まれ変わるのですから。
では、いくら現状に不満があるとはいえ、「死」を選ぶことができるのか。
底の見えない闇に身を投げることができるのか。
これは、そう簡単なことではありません。
だから、人は変わろうとはしないし、どんなに苦しくとも「このままでいいんだ」と思いたい。
そして現状を肯定するための、「このままでいい」材料を探しながら生きることになるのです。
自分を変えるというのは今までの自分を否定することと同じ意味であり、これまでの自分の死を選択するということです。
僕自身そこまで深く考えたことがありませんでした。
変わりたくても変われないと感じている人は、これまでの自分を否定する覚悟がまだ足りていないのかなと思いました。
変わるのが怖いから、どんなに苦しい状況でもこのままでいいんだと感じたことがある人も少なくないのではないかと思います。
変わりたいと思っている人は、それ相応のエネルギーであったり覚悟が必要なんですね。
彼らは「いいこと」をしているのではありません。
p92
ただ「ほめられる」ことをしているだけなのです。
中略
彼らは「ほめてくれる人がいなければ、適切な行動をしない」のだし、「罰を与える人がいなければ、不適切な行動もとる」というライフスタイル(世界観)を身につけていくのです。
アドラー心理学では褒めることと叱ることを否定しています。
なぜ否定しているのかについては様々な理由がありますが、この内容では、褒められたり叱られたりして成長した子供は、褒められるためや叱られないために行動するというライフスタイルを身につけてしまうからです。
また、そのようなライフスタイルを身につけた人は、常に人からの評価を気にしてしまい幸せな人生を送ることができません。
僕はこの内容を読んで、他人をほめることを辞め、褒められようとすることをしないようにしました。
あなたは、生徒たちと言葉でコミュニケーションすることが煩わしく感じ、手っ取り早く屈服させようとして、叱っている。
p114
怒りを武器に、罵倒という名の銃を構え、権威の刃を突き付けて。
それは教育者として未熟な、また愚かな態度なのです。
中学生の頃、やたらと厳しい先生がいたのですが、その人にこの本の内容を教えてあげたいですね。
今でも覚えている尊敬できる先生はいつでも優しくて、悪いことをしたときは怒るという手段ではなく、コミュニケーションを通して教えてくださっていたのを今でも覚えています。
普段の日常生活や仕事でもイライラを周囲にぶつける人はいますよね。
僕も気をつけていこうと思いました。
ほめられることでしか幸せを実感できない人は、人生の最後の瞬間まで「もっとほめられること」を求めます。
p152
その人は「依存」の地位に置かれたまま、永遠に求め続ける生を、永遠に満たされることのない生を送ることになるのです。
褒められることを望む人は、そもそも褒めてくれる人がいなければ自分自身の欲求を満たすことが出来ません。
要は他人に依存してしまっているという状態です。
他人から認められようと生きるのは不幸な人生です。
自分で自分のことを認めることが大切であり、アドラー心理学ではそれを「自立」と説いています。
アドラーの語る「すべての悩みは、対人関係の悩みある」という言葉の背後には、「すべての喜びもまた、対人関係の喜びである」という幸福の定義が隠されているのです。
p178
だからこそわれわれは「人生のタスク」に立ち向かわなければならない。
「わたしは誰かの役に立っている」という主観的な感覚があれば、すなわち貢献感があれば、それでいい。
p237
それ以上の根拠を求める必要はない。
貢献感のなかに、幸せをを見出そう。
貢献感のなかに、喜びを見出そう。
生きていく上で他人との交流は必要不可欠になってきます。
しかし、対人関係の中には悩みが存在し喜びが存在します。
悩みの原因となる考え方を排除し、対人関係の中から喜びを見出すためには「貢献感」が大切です。
何か行動をしたときに喜んでくれる人がいても、その人の心の中を覗いて本当に喜んでいるのかどうかを確かめることは出来ません。
また、その考えは対人関係の「悩み」に発展する考え方です。
なので、「誰かの役に立っている」という「主観的」な感覚が大事になっていきます。
多くの大人たちもまた、自分の弱さや不幸、傷、不遇なる環境、そしてトラウマを「武器」として、他者をコントロールしようと目論みます。
p242
心配させ、言動を束縛し、支配しようとするのです。
そんな大人たちをアドラーは「甘やかされた子ども」と断じ、そのライフスタイル(世界観)を厳しく批判しました。
周囲の人やはたまた自分自身が、こういう行動を取っていませんか??
僕の周りにも不幸自慢をしている人はいました。(なにか意図があってそうしていたのかは分かりませんが。。)
自分の人生は自分が望んだとおりの人生になると言われています。
今の状態が本当に嫌だと思っているなら、何かを変える努力をしているはずだし、何もしていないのなら心のどこかで今の現状を望んでいる自分がいます。
にもかかわらず、そんな現状を嘆き周囲の人たちをコントロールしようとする人は、自立できていないのです。
不幸を嘆くのではなく、今を変える努力が大切です。
あなたのように「出会いがない」と嘆く人も、実は毎日のように誰かと出会っているのです。
p263
しかし、そのささやかな「出会い」を、なにかしらの「関係」に発展させるには、一定の勇気が必要です。
声をかけたり、手紙を送ったり。
そこで「関係」に踏み出す勇気をくじかれた人は、どうするか。
「運命の人」という幻想にすがりつくのです。
アドラー心理学では「運命の人」という存在を否定しています。
運命の人という存在を言い訳に、出会いをあきらめてしまっていはいませんか??
理想を追いかけるばかりでなく、他人を知ろうとする努力が一番大切なのかなと思いました。
最後に
幸せになる勇気を読んでみて、アドラー心理学に関する考え方をさらに深く知ることが出来ました。
人との接し方に関してすごく考えさせられる内容となっていました。
全ての悩みは対人関係にあるが、喜びもまた対人関係にあるという言葉が僕の中で強く印象に残っています。
悩みの原因である対人関係から逃げては、本当の幸せを感じることはできません。
対人関係の悩みを抱え込まない、そして幸せを感じることが出来る考え方を学んでいくことが大切だと本書を通じて感じました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは。